ひじは伸ばしきらない
ひじの故障のほとんどは、ひじを伸ばしきってしまうことが原因です。
ひじを素早く伸ばしてみてください。
「ガッ」と骨がぶつかるような感じがします。
実際には、ひじ関節の軟骨などが緩衝材として働くので、骨同士はぶつからないのですが、
それらがぶつかり合う音がすると思います。
投球時にひじを伸ばすように投げると、その負担でひじ関節にダメージが蓄積します。
時速100km/hを超えるようなスピード投げた場合、
当然、それだけのエネルギーを関節で受け止めることになり、ひじは簡単に壊れます。
平常時は、ひじがすごいスピードで伸びそうになると、身体が勝手にブレーキをかけます。
筋肉が直前で止めて危険を回避するのです。
しかし、練習中に指導者からひじを伸ばせと強要されたり、
本などの影響でひじを伸ばさないとと強く思って投げたり、
コントロールを意識しすぎて思いっきり手首のスナップで投げると、
ひじが伸び切ってしまうことがあります。
すると、たった1~2回のことでも、ひじに違和感が走っています。
こうなると、まともに練習することはできません。
痛みが起きないよう身体が勝手にブレーキをかけます。
痛みへの恐怖から、脱力やフォームを意識する余裕もありません。
ひじは簡単に壊れるということはぜひ覚えておいてください。
投球フォームを見ると、皆ひじが伸びきっているように見えるかもしれませんが、これは錯覚です。
スローでみるとわかりますが、投球中には腕には捻りがかかっていて、
ひじが伸びきる直前に腕が回転してひじの向きが変わります。
なので、ひじが伸びきる瞬間はないのです。